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This square portrait shows the head and shoulders of a young woman in front of a spiky bush that fills much of the background except for a landscape view that extends into the deep distance to our right. The woman's body is angled to our right but her face turns to us. She has chalk-white, smooth skin with heavily lidded, light brown eyes, and her pale pink lips are closed. Pale blush highlights her cheeks, and she looks either at us or very slightly away from our eyes. Her brown hair is parted down the middle and pulled back, but tight, lively curls frame her face. Her hair turns gold where the light shines on it. She wears a brown dress, trimmed along the square neckline with gold. The front of the bodice is tied with a blue ribbon, and the lacing holes are also edged with gold. A sheer white veil covers her chest and is pinned at the center with a small gold ball. The bush fills the space around her head with copper-brown, spiky leaves. A river winds between trees and rolling hills in the distance to our right. Trees and a town along the horizon, which comes about halfway up the painting, is pale blue under an ice-blue sky.

Leonardo da Vinci

Ginevra de' Benci [obverse], c. 1474/1478

West Building, Main Floor — Gallery 6

文字起こし

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ジネーヴラ・デ・ベンチの肖像、1474/1478年頃

イブ・ストラウスマン=フランザー:
私はイブ・ストラウスマン=フランザー、当館のイタリアとスペイン絵画部門の主任学芸員です。

ナレーター:
この落ち着いた色調の、細部まで丁寧に描かれた肖像画は、ルネサンス期フィレンツェの富裕な銀行家の娘、ジネーヴラ・デ・ベンチのものです。彼女が1474年にルイージ・ニッコリーニと結婚した頃、まだ若いレオナルド・ダ・ヴィンチがこの肖像画を描きました。

イブ・ストラウスマン=フランザー:
レオナルドが手掛けた女性の肖像画のうち、現在残っているのは3点だけで、これはそのうち最初のものです。

ナレーター:
それ以前には普通、肖像画には横顔が描かれていました。

イブ・ストラウスマン=フランザー:
レオナルドはここで、ジネーヴラの体をごくわずかに回転させています。その結果、彼女は斜め前から描かれ、その顔、体、そして後ろの景色も、より多くが表現されています。レオナルドがジネーヴラの体の輪郭や顔の陰影を、いかに注意深く、心を込めて描いていったかが分かります。

ナレーター:
彼はまた、背景の黒っぽいセイヨウネズの葉を描くことによって、ジネーヴラの明るく滑らかな肌を強調しています。ジネーヴラの名前は、イタリア語でセイヨウネズを意味するジネプロに通じています。レオナルドがモデルの名前と、背景の植物で言葉遊びをしているのは、ここでは特に適切だといえるでしょう。なぜなら言葉の美しさや正確さは、詩人でもあったジネーヴラにとってとても大事だったからです。

この絵は、もしかしたら別の詩人の注文により制作されたのかもしれません。それはジネーヴラの崇拝者の一人で、当時フィレンツェに滞在していたヴェネツィア大使ベルナルド・ベンボです。

イブ・ストラウスマン=フランザー:
既婚婦人が、プラトニックな恋人を持ち、彼と手紙や詩を交換するのは、ルネサンス期には普通の習慣でした。

私が非常に興味深いと思うのは、多くの人が彼女の顔の表情を、厳しいとか冷たいとかよそよそしいとか感じていることです。しかしむしろ、自信に満ち、率直で落ち着いているということもできるでしょう。そしてこの絵の構図と、鑑賞者の受ける印象の両方がこれほど複雑であることは、ジネーヴラ・デ・ベンチのこの肖像画に示された、レオナルドの才能なのです。
 

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