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Audio Stop 206

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We hover over a flax-yellow body of water lined with ships to our left and right, which are silhouetted against a moonlit, cloud-veiled sky in this horizontal landscape painting. The horizon comes about a third of the way up the composition. The moon hangs to our left of center in the sky, its light reflecting on the clouds in a bright, hourglass shape to create a tunnel-like effect. The sea below turns from a gold color close to us to pale blue along the horizon. To our left, one ship with gray sails is cut off by the edge of the canvas and another, also with gray sails, is situated farther from us. A small, dark rowboat with two passengers moves between them. Light from the windows in buildings along the distant horizon to our left reflect in the water, and another building, a factory, spouts white flame from its chimney. More dark ships line the waterway to our right, their spiky masts black against the sky. Three flames, one orange between two pale yellow fires, flare in the darkness in front of the ship closest to us. The forms of men shoveling coal, crates, and barges are dark silhouettes against the firelight and smoke. More rowboats float among the boats in the distance. Near the lower right corner of the canvas, a broad, flat fragment of wood floats close to us. The hot orange and black on the right side of the painting contrasts with the silvery gray, light blue, and white that fills much of the rest of the composition. The painting was created with thick, blended brushstrokes throughout, giving the scene a hazy look. The texture of some of the brushstrokes is especially noticeable, as where the moon casts white light onto the water and in the clouds. The artist signed a buoy floating to our left with his initials, “JMWT.”

Joseph Mallord William Turner

Keelmen Heaving in Coals by Moonlight, 1835

West Building, Main Floor — Gallery 57

文字起こし

J・M・W・ターナー、月下で石炭を運ぶ船人足、1835年

ナレーター:
19世紀初頭のイングランド北部では、タイン川は、近くで採掘された大量の石炭を海路ロンドンまで運ぶために利用されていました。ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーはここで、人足たちが夜の間に、キール船として知られる平底船から、高いマストを持つ海洋船に石炭を積み替える様子を描いています。彼らの作業を照らし出す松明から、煙が上がっています。学芸員のフランクリン・ケリーです。

フランクリン・ケリー:
私は見事に表現された月光に、まず注意をひきつけられます。月光は空だけでなく、水面に反射した線としても表現されていて、距離感を感じさせてくれるのです。月の冷え冷えとした光と、それとは対象的な松明の明かりは、交互に私たちの注意をひきます。

ナレーター:
ターナーの絵はロマンティックです。しかし実際に川の上で行われていた作業は、決して美しいものではありませんでした。

フランクリン・ケリー:
それにもちろん、1830年代には産業革命が本格的に始まり、イングランドを大きく変えつつありました。産業革命の最大の推進力となったものは何だったでしょうか? 石炭です。

ナレーター:
タイン川を運ばれた石炭は、長期にわたる深刻な環境汚染を引き起こしました。

ノースカロライナ大学チャペルヒル校のジョエル・フォドリー教授は、川に詳しく、河口と漁業を専門とする環境学者です。

ジョエル・フォドリー:
この絵で描かれているような活動にはもちろん、強い印象を受けます。彼らは、私たちがようやく理解し始めているような、環境の変化に関する長期的な理解やデータを持っていませんでした。

私たちの先人は港を、防波堤を、そして大きな桟橋を建設しました。これらは、川や河口の形や性質に、広範囲の、非常に大きな変化をもたらしたのです。このような深刻な地域的な変化は、世界中で起きています。

そういうわけで私は、人間の考え方が大きく変化したこと、そして私たちが今では、健全な環境やその質の高さに重きを置き、人類が地球を変えてしまったことを懸念しているという事実に、大きな印象を受けたのです。

経済はもちろん重要です。仕事も重要です。この波止場には多くの仕事があるようです。ですから、両者のバランスをうまく取ることは、現在の私たちが直面している、とても重要な課題なのです。

ナレーター:
ターナーのこの作品は、産業革命が始まった頃の様子を私たちに見せてくれます。同時に、人間の活動が環境の変化を引き起こしつづける中で、自然界の状態についての疑問を投げかけています。
 

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